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一枚絵で書いてみm@ster(大遅刻前編)
 一枚絵で書いてみm@ster第4回参加作品、前編になります。
 企画締め切りからの大遅刻、心よりお詫び申し上げます。
 後編もなるべく早く上げたいと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。

 以下格納

 ↓
 「餓鬼の頃から機械がとにかく好きだったんだ。
 何でも分解(バラ)して組み立ててってね。
 確か6歳のときだな…弟と2人で親父の車を完全に分解した時は
 こっ酷く怒られたぜ
 だから必死になって組み立て直したよ、分解したときは
 何も考えてなかったから1日でやっちまったけど
 組み立ては3日くらいかかったかな。
 直ってる車見たときの親父の顔が最高でね…」
 (B・ウェイン)

 ウェイン兄弟は大陸西に位置する半島南端の田舎町で生まれた。
 父の影響もあり、幼い頃から機械いじりに親しみ、
成人してからも父の残した小さな自動車工場を細々と経営する傍らで、
数々のオリジナル車両や航空機を生み出していった。そしていつしか
その噂は連邦政府にまで届くようになる。

 「開発主任って聞いたときは、何かの間違いだと思った。
 本当だと知ったときには兄さんと大喜びしたよ。
 どんどん人の役に立つ機械を生み出せるってね、しがない町工場じゃ
 考えられない設備と資金を見せられて
 抗える技術者なんていないよ!」
 (J・ウェイン)

 兄弟の斬新な発想と大胆な設計は、連邦に「開発主任」という異例の待遇で
迎え入れられる事になり、2人は豊富な資金の元、その開発スピードにも磨きが
かかった。
 そして、彼らの生み出す数々の新兵器は連邦に「領土拡大」の野望を
抱かせるに十分なものであり、時を置かずして、その野望は実行に移される
こととなった。


   その結果がこれだ。


 二人は意を決してその街へと足を踏み入れた。
 昨日までは人々が集い、恋人たちが愛を語り合ったその場所には
瓦礫の山が広がり、そこかしこで無数のうめき声と赤ん坊の力ない
泣き声が聞こえるのみ。
 そして、やがてはそれさえも朝の光に溶け込み、消えていった。

 遅ればせながら自分たちのしでかしてきたことに気づいた2人は、
試作中の4機の高性能戦闘爆撃機を持ち出し、我が身と共にそれを
隠した。

 連邦の進撃がそれで停まると信じて。


 蒼と黄の翼、鈍色の空 -from Battle Garegga-(前編)


 スラッグ渓谷
 連邦との国境線に位置する鉱山の町だ。
 かつては良質の鉄鉱石や銀までも産出する「優良鉱山」だったらしいが、
今じゃ鉄はおろか錫さえも余程掘り進めないと出てこない、
その名の通り「残り滓」の谷だ。
 ここなら連邦も侵攻しては来ないだろう。
 おっと、自己紹介が遅れたな、俺の名はブルース・ウェイン。
 鉱山の機械技師として働いている。
 ハッキリ言って、しけた街だけど、それでもこの町の人は温かかった。
 どこの馬の骨とも分らない俺たちを迎え入れてくれて、
仕事も世話してくれた。
 せめて町のみんなの役に立つことでこの恩は返したいもんだな。

 今日は技師長と新たな鉱脈について意見を交わしている。
 昔の鉱山地図と、地形、試掘の結果を踏まえ、
掘り進むべきか否かを考える。
 「…この試掘した鉱石と、以前鉄鉱石の産出した坑道の方角は
 一致してますね、 このままの方向だと空振りに終わる可能性が
 高いです。」
 俺の意見に技師長はため息をついて、
 「しかしなブルース…この試掘で良い結果が出なければ、
 最悪この鉱山(ヤマ)は閉山だ…」
 技師長の暗い顔に俺は努めて明るい声で答える。
 「いや、ここからさらに下へ掘り進めば可能性はあります」
 「簡単に言うが、下に掘り進もうにも岩盤が硬すぎて、
 今の機械じゃ無理だ…発破だってそうは使えないんだからな」
 技師長の言葉に俺はニヤリと笑って答える。
 「その点に関しては問題ないですよ。今、新兵器が来ますから。」
 その言葉が終らぬうちに、エンジンの爆音とともに、
1台の車両が俺たちのいる坑道口に入ってきた。
 「兄さんお待たせ!」
 「おう、丁度良かったぞ、ジョン。」
 その車からジョン―俺の弟が顔を出してきた。
 技師長はその車両を見て目を剥いた。
 まあ、トロッコに馬鹿でかいドリルが乗ってるだけに見えるのを
見たら誰でもそんな顔になるだろうな。
 「ブルース…これが君のいう秘密兵器か?」
 「ええ、こいつなら硬い岩盤でもブチ抜けますし、
 この大きさならそのまま坑道内に持ち込めます。」
 俺の後を受けてジョンが続ける
 「それにこいつはガソリンエンジンでも、電気でも動きますから、
 坑道内の換気の問題もクリアできます!」
 地図を広げ、技師長に向き直る。地図を指さしながら、
 「こいつを使って、ここから下に掘り進めば、おそらく『当たり』を
 引けると思うんです。確率は五分五分かもしれませんが、
 駄目元で賭けてみませんか?。」
 「…わかった、そのバクチに乗ってみるよ、任せよう。」
  決まりだ、さあ、ぶち抜くぞ。

 その夜、スラッグ渓谷は鉱山開設以来の大騒ぎとなった。
 残り滓と言われていた鉱山に、待望の新鉱脈が発見されたのだから無理も無い。
 俺たち兄弟も、やっと町の皆に恩返しができたと喜んでいた。
 それが何をこの町にもたらすのかも考えないで。



 鉱山(ヤマ)の終業サイレンが鳴る。
 「よーしっ!ブルース、ジョン!上がろうぜ!」
 坑道用エレベーターの整備をしていた俺たちに、親方が声を掛けてきた。
 「ういーっす!おつかれっしたぁ!」
 配管の中から顔だけ出して返事をする。ボイラーの整備をしている弟も
顔を油まみれにして返事をしていた。
 親方は上がるみたいだけど、もう一寸で配管の補修が完璧に終わる、
少し残業しよう。
 元のバルブを締め、蒸気の漏れている部分を交換する。
狭い隙間に腕を突っ込み、手探りで配管を交換する。中々の力仕事だ。
 「何だブルース、お前まだやってるのか?」
 「ええ、もう一寸で配管が完璧になりますから。」
 なんだ、親方まだ上がって無いのか。
 「あ、そこに居るんなら、2番のレンチ貰えます?」
 「おお、ホレっ」
 「あ、ありがとう」
 レンチで配管を固定する。あとはバルブを開けてチェックするだけだ。
 「親方、3版と5番のバルブ開けてもらえますか?」
 「おう、分かった」
 バルブを開ける音が聞こえる。配管からの漏れは…無い。よっしゃ、完璧だ。
 配管の中から這い出す。
 「おう、お疲れ!」
 「すんません、親方。付き合わせちゃって」
 「なーに、イイってことよ!それよりもお前ら、今日こそは一緒に一杯やろうぜ!」
 う…やっぱりそう来ましたか…、俺も弟も酒は苦手だし、何より手持ちが心許ないんですけど…。
 「そんなしけた顔すんな!飲み代なら俺の奢りだ!
 鉱山(ヤマ)の救世主様を早く連れて来いって
 他の連中もうるせえからよ…ここは俺の顔を立てて…な!?」 
 そこまで言われちゃ、仕方ないか。
 「分かりました、ではお言葉に甘えさせて頂きますね。」
 鉱山唯一の酒場「DIG DUG」
 鉱山(ヤマ)の男たちの憩いの場とは知っていたけど、
貧乏なのと酒が苦手な事もあって今まで足を運ぼうとはしなかったんだよな。
 親方と店のドアをくぐる。
 「おお!ブルース、ジョン!、よく来たな!」
 「鉱山の救世主サマを此処に連れて来ないなんて、
 ダッフィー!何やってたんだ!」
 「へっへっへ!悪い悪い!」
 「さあ、座ってくれよ!鉱山の救世主様に乾杯だ!」
 奨められるままにテーブルに着く。
 「ヤヨイ!ビールと、とびっきりのご馳走を出してやってくれよ!」
 「うっうー!わかりましたあ!」
 荒くれた鉱夫たちが集う、この酒場に似つかわしくない、若く、溌剌とした声。
 程無く、その子は俺たちの前にやってきた。
 その細腕でビールのジョッキと沢山の料理を載せて、
 「はじめまして、ウェイトレスのやよいです!うっうー!」
 栗色の髪を二つに纏め、黄色のワンピースとエプロンに身を包んだその娘は、
 テキパキとビールと料理を並べて、
 「お兄さんたちのおかげで、このお店も景気がよくって最高ですぅ!」
 勢いよくお辞儀をした。
 そっか、鉱山で働く人たち以外にもこうやって恩恵があったのか。
 これで、少しはあの罪滅ぼしになったのかな…。
 「今日はたっぷりサービスしちゃいますぅ!うっうー!」
 「おう!おめーら!今日は鉱山の救世主様に乾杯だ!思いっきり飲むぞ!」
 「あのー、思いっきり飲むのはいつもの事じゃないんですか?」
 そこからのことは、正直あまり覚えていない。
 ジョンが慣れないビールでやたら酔っ払って、程無く潰れてヤヨイちゃんに
介抱されてたり、親方と何故か腕相撲させられて、予想外の善戦を演じたり、
 とにかく、やたら楽しい時間だった。

 そのときは唐突に来た、馬鹿騒ぎの喧騒と酔いに身を任せていた俺は、
喧騒が一瞬にして鎮まったことに気がついた。
 皆の視線が酒場の中の一点に注がれている。酒場の片隅にお飾りのように
置かれているピアノにヤヨイちゃんが座っているのが見えた。
 でも、皆の視線はそこに注がれてはいない。
 ピアノの傍らに誰かが立っている。
 一瞬、幽霊かと思った。
 節目がちな眼と髪は窓の外の夜の色、白皙の肌は美しいが、
その表情からは生気というものを感じ取ることができない。
 ヤヨイちゃんが気遣わしげな視線をその少女に送るが、
やがて意を決したようにピアノを弾き始めた。
 演奏には慣れていないのだろう、たどたどしい演奏が響く。
 そして、幽霊かと思っていた少女はまるで螺子を巻かれたオルゴールのように
歌い始めた。
 否、機械仕掛けでは、ここにいる荒くれた鉱夫たちが言葉を失って
ただ聞き入るようなことがあるのだろうか。
 その声とその旋律の中にある「なにか」が、聞く者の心を揺さぶるのだ。
 少なくとも俺の心は激しく揺さぶられた。
 始まったときと同じ唐突さで歌が終わる。
 僅かな沈黙は、皆の拍手喝采で破られた。
 ヤヨイちゃんに手を引かれ、黒髪の少女は店の奥に消えていった。
 

 数日後、すっかり俺たちは「Dig Dug」に入り浸るようになっていた。
 何の事は無い。俺はあの娘の歌に、ジョンはヤヨイちゃんにぞっこん惚れ込んでしまったのだ。
 ただな、毎食ここで食ってると我が家の家計は火の車になるんですが、
その辺わかってるのかね?ジョン君。
 「うっうー!お金なくてもブルースさんとジョンさんだったらツケでもいいですぅ!」
 ヤヨイちゃん、なぜに俺の心を読むかのような発言を?、
そして奢りとは言ってくれないのね…。
 「ところで、今日はチハヤちゃんは?」
 先日名前を聞きだしたあの歌い手の少女の所在を尋ねる。
 あの歌をもう一度聴きたい、その思いは日増しに強くなっている。そして…
 「今日も部屋にこもってます…ごはんはちゃんと食べてくれるようになったんですけど…」
 二人は戦災孤児だった。
 連邦の侵攻で住んでいた町を焼け出され、やっとのことでこの町に流れ着いたのだという。
 両親を自らの眼前で殺されたチハヤちゃんはその時から、まるで人形のように
何も喋らず、時々思い出したように歌を歌うのだという。
 自らも両親を失ったヤヨイちゃんが、一人で幼い弟妹とチハヤちゃんを何とか養っている。
 罪から逃げてきたはずなのに、俺たちのした事が人を不幸にする様を目の当たりに
するとは、せめて、この娘たちの不幸を軽くしたい。俺たちはそんなことを考えていた。

 それが、正しく甘い考えだったことを俺たち兄弟は全く分かっていなかった。

(続く)
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