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一枚絵で書いてみm@ster
 一枚絵で書いてみm@ster、第3回に参加させて頂きました。

※本SSはスクウェア・エニックスより発売中のSTG、「Einhander」及び、同作品を
 基にした独眼P作の架空戦記、「第721特別攻撃隊」からインスパイアされて
 執筆しております。

 当作品のネタバレ・・・と言うか、展開の予想も含まれますので、
ご覧になる際はご注意下さい。
 また、アインハンダーの公式設定からは若干逸脱しておりますが、
SS故のお遊びと御海容頂ければ幸いと存じます。
 あ、あと登場人物は全員二十歳以上と言う俺の脳内設定です。
 お酒は二十歳になってからw。

 以下格納
 ↓



 -叛逆前夜- from Einhander

 西暦2246年12月11日、午前7時45分。
 地球上空800km -熱圏-。

 私の目の前で、攻撃衛星はその黒い巨体から火を噴きながら、地球の重力に
引かれて墜ちていった。
 愛機アストライアーFGA Mk.Ⅰのコックピットの中で、私、如月千早は脱力した。
 これで、ゾードムの月侵攻は止まった。
 終わったんだ…。

 あとは、指揮衛星ヒュペリオンからの指示で帰還するだけ。
 あの子とあの人はどうしているかしら…。

 「指揮衛星ヒュペリオンヨリ入電」
 ヒュペリオンからの無機質な声が、物思いに沈んでいた私の意識を呼び戻した。
 「貴官ノ壮挙ニヨリ、我ガ国家ノ脅威は取リ除カレタ。
 マタ、貴官の戦斗記録ヲ元ニ、最新鋭無人戦斗機EOSノ戦斗データモ完成デキタ」
 コンピュータからの美辞麗句なんてどうでもいい。それに、この期に及んで
まだ新兵器の開発なんて、上層部は何を考えているのかしら…。
 「ソノ功績ニヨリ、名誉ナ事ニ、貴官ハEOS最終テストノ標的トシテ選抜サレタ。
オメデトウ」
 何…何を言っているのこいつは?
 「ナオ、死後ニハ、ニ階級特進ノ上、シリウス勲章ガ授与サレルデアロウ。
  月ニ栄光アレ、地球ニ」
 その言葉が終わらぬうちに私は通信機を半ば叩き壊すように切った。

 レーダーを確認するまでも無く、数十機の暁 -EOS- が私の眼前に展開しているのが視認できた。
 ガンポッドと機銃の残弾を確認する。
 カノン42発、ワスプ98発、戦斗継続に問題ない。
 それに、足りなくなっても目の前の連中から奪えばいい。
 そう、撃って、奪って、ブチ壊せ!
 
 雲霞のごとく押し寄せる弾幕を掻い潜る。
 「うわああああああああああああああああああああああああああ!」
 私は我知らずコックピットの中で雄叫びをあげながら、
「敵」の群れの中に突っ込んでいった。




 西暦2246年1月10日、午前2時35分。
 月面都市国家セレーネ、特別環境保護区。

 月面に入植した第一世代が、都市モジュールの完成と共に持ち込んだ
地球の動植物を出来うる限り、本来の地球に近い環境下で生育させる目的で
作られた特別区。
 此処はその中でも更に特殊なブロックだ。
 このブロックの設計者の趣味なのか、此処は桜林・・・地球で最も美しいという植物が群生する区画なのだ。
 なるほど、薄闇に浮かび上がる小さなピンクの花と、少しずつ舞い散る花びらの様は素直に美しいと思える。
 桜舞う中を敷き茣蓙―大昔のレジャーシート、らしい―に座り、
幹にもたれて私は待つ。
 オペレーション・ジャッジメントの最終段階突入による挙国戦時体制とやらで、
こんな非戦闘区画に割く人員は無いらしく、忍び込むのは楽勝だった。
 そこに響く足音。一瞬、腰の拳銃に手が伸びるが、すぐに緊張を解いた。
 そのお下げ髪と眼鏡は間違えようも無い、秋月律子だ。
 片手にはコップが二つ、もう片方の手にはやたらと大きなガラス瓶が握られている。
 私は何も言わず、黙って敷き茣蓙の開いた場所を指し示した。

 「アストライアーの換装作業は終了したわ。燃料と弾薬も問題無い。」
 敷き茣蓙に座り、開口一番、律子は私にそう告げた。
 「そう。ありがとう」
 彼女に目を向けることなく答えを返す。
 ため息をつく気配。
 と、私の目の前にずいと液体の入った紙コップが差し出された。
 立ち上る甘やかな香り。


kakimaster03.jpg

 「作戦前夜にこんなの飲ませて、宿酔いで戦闘機動させる気?」
 苦笑しつつも紙コップを受け取る。
 律子も手酌で自分の紙コップを満たしながら話す。
 「いいから飲みなさい。65年物の古酒なんて、もうこれしか現存していないわよ」
 「65年物って…月戦争開戦前じゃない…まさか…響!?」
 私の問いに、律子は黙って頷いた。
 「貴女の生存と計画を知ったら、これを持ってきたわ。
 戻って来た時に皆で飲もうって。」
 「…もう空けちゃったじゃないの。」
 ジト目で問う私の言葉に律子は答えず、無言でコップに口を付ける。
 解っている。
 彼女が『もう戻れないかもしれない』と、いう言葉を飲み込んだ事くらい。
 私もそれ以上何も言わず、一口呑んでみた。
 口中に広がる芳醇な甘みと香り、むぅ、こ、これは…。
 
 「「…う、うまい…」」
 
 思わず顔を見合わせ、くすっと笑う。
 それがきっかけになって、私は『計画』について話し始めた。
 「あの子とあの人は?」
 「絵里と尾崎さんががうまくやってくれてるわ、救国の英雄の弟と恋人として、
 軍のプロパガンダに祀り上げられるのは、本人達にとっては不本意でしょうけどね。
 警護には真が居るから心配ない。」
 「一部に事実と反する表現があるようだけど?」
 私は身を乗り出して律子に迫る。
 「だってそれ以外に適切な表現が見つからないじゃない。
 『元アイドルの担当プロデューサー』
 じゃあ適切な肩書きにならないのよ」
 律子は肩をすくめて答える。
 「それにしたって恋人だなんて…まだ何にも無いのに…」
 「あら、そんな様子じゃまんざらでも無いみたいね、
 いっそ本当に恋人になってみたら?」
 「冗談言わないで!」
 思わず声が大きくなる。これ以上不適切な発言をさせる訳にはいかない。
 「わかったわかった、まあ、本案件については後でゆっくり尋問させてもらうわ。」
 律子は『これはよい楽しみができた』と、ばかりにニヤニヤ笑っている。
 うう…失策だったかしら。
 「まあ、いいわ、停戦合意は?」
 「春香と美希が両軍の穏健派の非公式接触のパイプを作ってる。実際の交渉にはセレーネからは高木准将がテーブルに着く予定よ、ゾードムは最高権力者の黒井将軍がゾンネンシュトラール作戦で戦死したから、恐らくは四条大佐が実権を掌握するんじゃないかと推測されてる。あの人なら黒井みたいな地球至上主義は考えず、現実的な融和路線に転ずるはず。」
 そこで律子は言葉を一度切り、私の顔を覗き込んだ。
 「貴女がヒュペリオンとエーオース(EOS)を完全に破壊すれば…だけどね。
  今、セレーネは貴女の活躍で戦勝ムードに沸き上がっている。
  オペレーション・ジャッジメントが発動すれば、「聖地」地球を奪還して、
 豊かな緑の理想郷に戻れるなんて幻想に皆が染まっている。」
 その言葉に、私の表情が怒りに歪む。
 「そんな幻想(ユメ)…木っ端微塵にぶち壊すわ。」
 そう、全ては幻想だった。
 「聖地」地球は、指導部が盛んに宣伝していた緑の理想郷などではなく、
 熱核兵器で焼き尽くされた死の荒野だった。
 僅かに残された8%程度の生存圏にしがみつき、
晴れることの無い空を仰ぎ見る人々。
 それが私の見た地球の現実だったのだ。
 そんな地球に侵攻して、いったい何を得ると言うのか、
 そんな戦争で、いったい誰が笑うのか、
 もうたくさんだ、もう終わらせてやる。
 「放送、通信網の確保は?」
 感傷を振り払うように律子に確認する。
 「セレーネ側はあずささんと双海姉妹が、ゾードム側はやよいと伊織、それに雪歩が既に工作を終わらせてあるわ。作戦開始と同時に貴女とリコンカスターズの戦闘を全世界に中継。ヒュペリオン撃破、リコンカスターズ壊滅と同時にお互いの国情を放送する手筈になってる。
 …でも、そんなことが本当に可能なの?」
 この「計画」を進める中で、何度と無くぶつけられてきた疑問、
 それに私はいつもの様にニヤリと笑って答える。
 「あら、シリウス勲章の英雄を信じないっていうの律子は?」
 そんな私を見て、なおも何か言いたげな表情を律子は見せたが、
 「オッケー、分かった。信じるわよエース殿!。
 戻ってきたら皆とここで花見酒だからね!」
 ぐいとコップの中身を空け、私に笑い返してくれた。
 私もぐいとコップを干し、
 「さあ、作戦前の景気付けよ!呑むぞー!」
 「…本当に宿酔いで戦斗機動する気じゃないでしょうね…。」


 西暦2246年1月11日、午前11時38分。
 アストライアー FGA Mk.Ⅰ コックピット内
 「うーっ、呑みすぎで気持ち悪い…」

 西暦2246年1月11日、午後3時31分
 指揮衛星ヒュペリオン UCS Mk.12を含む
 セレーネ奪回軍(リコンカスターズ)、所属不明の戦術戦斗機一機により壊滅。


 その模様は地球、月の全世界で中継され、更にその後に放送された映像は互いの国情を一般国民に知らしめる結果となる。

 この戦闘により、攻撃手段を喪失したセレーネ・ゾードム両国は
一時的な停戦合意を結ぶ。
 更に、両国民が互いの国情を知ったことにより、それは終戦へと結実していった。
 理想郷など何処にも無かった訳だが、また、一時の平穏は訪れたのである。
 しかし、終戦の原因となった者の名は、両国の公式記録から完全に抹消された。
 今はただ、実際に斗い、血を流した者達が、

 「Einhander」

 の名を、記憶に留めているのみである。

(了)








―――以下、非公式の音声記録より抜粋

 「お酒とおつまみは沢山あるからなんくるないさぁー!」
 「いちばん!、天海!、唄います! あおいぃーとりィー!」
 「何と面妖な歌声!」
 「あらあらあら、うふふふふふふ」
 「涼ちん、本編でネタが無かったから、ここでカイボーしちゃおう!、んっふっふー!」
 「ぎゃおおおおおおおおん!」
 「にばん、星井!、暑いから脱ぎます!まこときゅん大好きなのー!」
 「フッヒー!まことちゃーん!」
 「ボクは女だー!」
 「くらァ!水瀬ェ!つまみがたんねーぞォ!」
 「誰よ!やよいに泡盛なんて飲ませたの!…って、ノミンゴスお前かー!」
 「やよいは呑んでも可愛いなぁー!、ぎゅってしちゃうぞー!」
 「プロデューサー殿…コレ…どうやって収拾付けましょうか…」
 「俺が知るか…」

 阿鼻叫喚のため、以降の音声記録については抹消―――
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comments
拝読致しました
初めまして。一枚絵企画参加者の小六と申します。

春雨バナナ様のSSのモチーフとなった「第721特別攻撃隊」も今回が初見であったりしました。STGはとんと疎い人間なのですが、とても面白いですね。ぐいぐいと惹かれる架空戦記でした。
そして、春雨バナナ様のSS、この「第721特別攻撃隊」の世界観が見事に描写されていて、うおお・・・サイドストーリーとはまさにこのことだ・・・!と思わず興奮してしまいました。
おそらくED後のストーリーなのでしょうが、謀反前夜、いいタイトルだと思います。律子さんと千早さんの、反逆精神といいますか、熱い血潮が感じられました。非公式音声記録はいい意味で笑わされました。ノミンゴスww
素晴らしいSSをありがとうございます!
【2010/03/29 01:04】URL | 小六 #-[ EDIT]
自分の土俵。
自分の得意なフィールドに持ち込んで戦うは
戦術の基本であります故、春雨氏の作風は、
まさに戦いの王道と言えるやもしれませぬ。
またその筆によりSTGと縁の薄かった方へ、
実は重厚なSTGのシナリオの端緒を知らせるは、
まさに伝道師としての役割を果たすものであり、以下略。

何が言いたいかといえば、いいぞ、もっとやれ。
この路線、大好きです。
最後の非公式で救われました。色々。
作品が乱立する企画の中で、確固たる個性は武器!
【2010/03/29 20:19】URL | ガルシアP #MhlNZB0o[ EDIT]
お初にございます
拝見させていただきました。

小生誠に申し訳ないことに、素地になったゲームのことを存じ上げませんが、
恐らくクロスオーバーしているであろう世界表現の調整がきちんとされている
ためなのでしょう、アイマスキャラが普通にその世界にいるように闊達に動く
様子が素晴らしい。
作戦前夜と言う舞台設定、硬派な世界観など、やはりSTGはこうあらねば!
と強く思った次第。半端SF者的にも勉強になりましたっ!

……つか、フヒ歩www
【2010/03/29 22:20】URL | 微熱体温 #-[ EDIT]
拝読させて頂きました。
STGから生まれるヒューマンドラマは数あれど、
非常に熱く芯の通ったストーリーに感服いたしました。
成年を超えていることを前もって踏まえた上でも、
件のシーンの中身は、やはり本物であってこそですね。
杯を交わしたその後のラストが、非常に綺麗に感じました。

そして音声記録のはっちゃけっぷりが素敵すぎて涙が零れそうです。
一瞬誰かと思った……やよいーw
【2010/03/29 22:38】URL | 寓話 #SFo5/nok[ EDIT]
まさかあの動画のSSを書くとは予想外。
自分が書く予定の話とはまた違いますが、こういう展開もありえたのかもしれませんな。
【2010/04/01 15:44】URL | 独眼P #-[ EDIT]
たくさんのコメント、ありがとうございます!

小六さん>
拙作にも過分のお言葉を頂き、本当にありがとうございます。
これをきっかけに独眼Pの動画もご覧になったようですね、大変に嬉しい事です。
これ以上無く原作のストーリーの魅力を引き出してくれている作品ですので、これからの展開にも期待したいです。

ガルシアP>
前回が難産だった所為か、今回はズミコさん
の絵を見た瞬間に電光石火のごとくネタが浮かんでくれましたw。
ええ、一枚絵企画は全部この路線でやるつもりですので、懲りずにお付き合いくださいませw。

微熱体温さん>
最近アイマスSPを購入した新人Pなだけにその様な評価を頂けますとのた打ち回って喜びますw。
最後のアレはあんまり重く終わってもなぁ、と思って付け足したのですが、楽しんで頂けて何よりです。

寓話さん>
絵を見た時点で、コップの中身はポン酒以外不許可と思ったのは僕だけだったみたいですねw。
ニゴってるのはお酒のせいですから仕方ないのです。やよいはいい子なのですw。

独眼P>
うひゃあああああああああああ!
まさかご覧頂けるとは予想できませんでしたぁw。
書いた動機がこうあってほしいという願望も含んでいましたので、こういう展開になりました。
これからも楽しみにしております!。

皆様、コメントありがとうございました!
【2010/04/02 22:27】URL | wingeddeath #-[ EDIT]
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wingeddeath(春雨バナナ君P)

Author:wingeddeath(春雨バナナ君P)
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