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ClubNight's Encore
いい夜でした。
感想を兼ねた編集長のお話は格納先で



俺達だけの前夜祭、演奏を終えて、誰もが演奏の余韻に浸り
束の間、視線を交わし合う。
「…お上手なんですね。マスターも編集長さんも。」
「キミも良くこの曲を知ってたね、それに上手い。」
俺の言葉に照れたのか、顔を赤らめてはにかむ彼女。…可愛いなぁ、っとイカンイカン。
と、俺達だけの店内に拍手が鳴り響いた。
拍手の主は一人の青年。
「…さん!」
彼女が驚いた声をあげ、プロデューサーも驚いた表情で青年を見る。
…って、という事は、あの青年が今回の企画の仕掛け人か!。
嬉しそうな笑みを浮かべ、青年がステージに歩み寄る。
「ご無沙汰しています。」
マスターも笑みを浮かべる。
「君もな、あの時の少年が立派になった」
マスターの言葉に、青年は照れたように頭を搔く。
「その話は勘弁して下さいよ…何年ぶりですか?、ここで演奏されるのは?」
「さてね、何年かぶりだろうが、不思議と体は覚えているものだね。
そちらの編集長さんに、うっかりその気にさせられてしまったよ。」
「僕の人選は間違っていなかったようですね。…で、お考えは変わりましたか?」
穏やかな表情を真剣なものに改め、青年がマスターに尋ねる。
「正直、私も良く判らんよ、自分がこの店をどうしたいのか、
終わらせるべきなのか、続けるべきなのか…だから、編集長さんの言うように
お嬢さん達の歌を聞いてから、答えを出すよ」

沈黙が、流れる。
と、思い出したように青年が俺に近づき、口を開いた。
「本番の演奏、是非貴方にも参加してほしいんですが…如何ですか?」
突然の申し出に、俺は思わず大声を上げる。
「…な、何を言ってるですか?、俺みたいなのが入ったら
それこそ折角のライブが台無しになりますよ!?」
「いいえ、マスターの演奏に沿えるだけの腕前なら問題ないですよ、それに…」
そこで一度言葉を切り、俺に耳打ちする。
「マスターをその気にさせた貴方の演奏と、彼女たちの歌声なら、
マスターを翻意させることができるかもしれない。」
そ、そんな無茶な…それこそ責任重大じゃないか…

「い、いや、そう言われても…今回の増刊の入稿とか…俺にも色々…」
「ああ、記事の事なら心配ないですよ、
全部俺が書いて明日一番で本社にデータ送っときますから」
必死に逃げ向上を並べる俺に、カメラマンの奴が横から余計な口を挟む。

「それは良かった、私をその気にさせた責任をどう取ってくれるか
考えていたところだが、それは名案だ。」
ま、マスターまで何言ってるの?

その場にいる全員の視線が俺に突き刺さる。しかも、明らかに
面白がっているから性質が悪い。
「ど、どうなっても知りませんよ!」
半ばヤケクソ気味に承諾した。否、させられただな、こりゃ。








そこから先の事は正直、よく覚えていない。
俺はライブを成功させるのに必死で、周りの事なんてまるで見えていなかったし
その後に起きた出来事もまるで夢のようで、
俺にはとても記事にすることなんてできなかったから。
どうしてもその時の事が知りたかったら、
その場に居た人に訊いてみるといい。
きっと、嬉しそうに教えてくれるはずだ。

@Club Night'sというイベントはこれでその幕を下ろした。
765プロのアイドルたちは、それぞれの新たな活動に奔走し
俺達はその活動を追い続けている。



だから、ここからの話は一寸した蛇足である。


Club Night's Encore


病室のドアを遠慮がちにノックする。
僅かな間をおいて、「どうぞ」と返事が返ってきた。
「失礼します…お元気そうでなによりです」
ベッドの上の老人…マスターに声をかける。
あの夜から既に一か月が過ぎた。あの店は結局閉める事無く存続が決まり、
経営も軌道に乗ったという事で、マスターの治療が始まったのだった。
無事手術も終わり、経過も良好との知らせを聞き、俺はClub Night'sの
最後の締めと思い、マスターを訪ねることにしたのだった。
「ありがとう…しかし、何だねその大荷物は」
俺の持っている大荷物を見て、マスターが苦笑する。
馬鹿でかい花束、いくつも下げられた紙袋の中身は、765プロで是非マスターにと
渡された見舞いの品々だった。
どう考えても入院中にマスター一人で食べきれる量じゃないと思うのだが、
それを言ったら水瀬伊織嬢に「うるさーい!下僕は黙って持ってきなさーい!」
と、一喝された。理不尽だ。
っと、余計なことはさておき、マスターに預かってきた手紙を渡す。
「これは?」
「765プロの皆から預かった手紙です。あの時に歌えなかった子たちも
マスターに歌を聴いてもらいたいらしくて、思いのたけを綴ったみたいですね。」
「それは嬉しいな、是非店にお呼びしたいと伝えてくれないか」
「お安いご用です」
マスターの表情に穏やかな笑みが浮かぶ。
そんな表情だったから、その後に続くマスターの言葉を俺は全く予想出来なかった。
「もう一つ頼まれてほしい事があるんだが…」
「はい、何なりと」
「私の店を君に引き継いでもらいたいんだが」

え…? 今、何と言った?

「どっ、どういう事ですか!?」
思わず、身を乗り出した俺を片手で制し、マスターは言葉を続けた。
「別に私もすぐに引退するつもりは無いよ、ただ、私に残された時間は
さほど長いわけじゃない。いずれ、私自身の人生の幕が落ちる時が
あの店の終わりだというのが、私には耐えられなくなってしまったんだよ。
誰かにバトンを引き継いでもらいたいのだよ、
今すぐにとは言わん、考えてはくれないか?」
老人の表情は一転、真剣なものとなる。
「何故…俺なんですか?」
あまりにも唐突な申し出に、訊かずにはいられなかった。
「さてね、私がそう考えたときに、君がたまたま其処に居ただけだからかな
でも、私がそれで良いと思っているんだ。理由なんてそんなものだよ。
それに、私をその気にさせたんだ、責任は最後まで取って貰わないとな」
そこでマスターは言葉を切り、少年のような笑みを向けてくる。
全く、この人には…敵わないな。
俺は返事の言葉を伝えようと口を開く。返事の言葉は勿論…。
(完)
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comments
このあちこちの話とくっついてる感が
なんかクラブナイツを象徴しているようだね。
結局何だったのかって、なかなか答えは
出ないわけだけど、それもいいか。
なんて思えてくるねえ。
【2009/12/13 23:40】URL | cha73 #AHY.BPxA[ EDIT]
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wingeddeath(春雨バナナ君P)

Author:wingeddeath(春雨バナナ君P)
B級シューター兼ニコマスPです。

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